体感する花火 – 豊橋の手筒花火の魅力

豊橋の手筒花火(てづつはなび)は、愛知県豊橋市で毎年夏に行われる伝統的な花火祭りで、その独特な魅力で多くの観光客を引きつけています。この花火は400年以上の歴史を持ち、豊橋市を含む東三河地方で特に有名です。

今回は手筒花火の魅力をご紹介します。

歴史と伝統

手筒花火の歴史は戦国・江戸時代にまで遡ります。
元々は神事として始まり、農耕の神への奉納や豊作祈願の意味を持っていました。戦国時代に火薬が伝来したのち、徳川家康が三河衆に火薬の製造を任せたことで発展したといわれています。江戸時代中期には庶民にも広まりることで全国的にも有名になり、滝沢馬琴は著書の中で「天下一」と賞賛しています。そして明治から平成を経て現在まで、市民によって大切に伝えられてきました。
400年以上の歴史を持つ手筒花火は、地域の誇りであり、文化的遺産でもあります。
こうした歴史的背景が手筒花火に深みを与え、その魅力を一層高めています。

独自の花火

手筒花火の最大の魅力の一つは、その迫力ある演出です。竹筒の中に火薬を詰め、点火すると筒の口から火の粉が勢いよく吹き出します。この火の粉が夜空に広がる様子は圧巻です。最後に「ハネ」と呼ばれる炎が大音響とともに足元に吹き出す勇壮な花火です。

揚げ手の勇気と技術

手筒花火は非常に危険を伴うため、揚げ手には特別な訓練が必要です。
手筒花火は花火の揚げ手が自分で作るのが基本。年長者の厳しい指導を受けながら、2ヶ月ほどかけて入念に作ります。点火後の炎の高さは10メートルにもなり、飛び散る火花の中で竹筒を支え続けるため、勇気と技術そして経験が求められます。

迫力の体験

手筒花火は通常の打ち上げ花火とは異なり、観客が近距離でその迫力を体感できます。
目の前で火花が飛び散る様子は圧巻です。さらに最後の「ハネ」では手筒の底が破裂しズドンという大音響とともに揚げ手の足元に炎が噴き出す瞬間、周囲の空気は最高潮に達します。特に初めて手筒花火を見る人にとって、その迫力と美しさは驚きと感動をもたらすでしょう。

まとめ

豊橋の手筒花火は、豊橋の歴史と伝統・文化、さらに受け継がれる技術が融合した独自の魅力を持つ行事です。手筒花火は豊橋の誇りであり、地域の絆や伝統を次世代へと受け継ぐ重要な役割を果たしています。そして現地に足を運べば、打ち上げ花火にはない手筒花火の迫力を体感できるだけでなく、そこに携わる人々の心意気を感じることができるでしょう。

名古屋発