はじめに
富士登山の道は、でこぼこしており、岩や石がごろごろしております。加えて往復約8〜13時間と長時間の重い荷物を背負っての登り下りがあります。そのような状態だと心配になるのが「脚と腰の痛み」。頂上へたどり着けるのかなという不安がよぎります。でも安心してください。せっかく大切な時間とお金を使うのですから、この機会に「バテない」歩き方を身につけて、富士登山登頂を成功させましょう。
目次
バテない歩き方
①基本姿勢
頭・腰・かかとが一直線に並んでいる状態がベストになります。
まっすぐ立ち、前のめり、後ろに反る、猫背は避けましょう。
具体的に、前のめりは視界が狭くなり、何か障害物などにつまずいて転倒の恐れがあります。後ろに反るのもリュックの重みも加わって転倒の恐れがあります。また猫背は腰に負担がかかります。まとめると、正しい姿勢ではないと、体のどこかに負担がかかります。この機会に意識しましょう。

②歩幅は小さめに
登山で使用する筋肉には大きい筋肉(太もも)と小さい筋肉(ふくらはぎ)があります。小さい筋肉は疲れやすいので、なるべく使わずに温存します。そこで大きな筋肉を使うのですが、大きく踏み出すと負担がかかるので歩幅を小さくして細かく歩くことが基本になります。
歩幅ですが、蹴る動作もなく、後ろ戻りできる歩幅、靴1足分ぐらいが目安です。距離が大きいと負担が増しバランスを崩し、怪我の恐れがあるためになるべく控えましょう。
③山歩きと街歩きの違い
あまり意識することはないかもしれませんが、私たちは普段歩くときに、かかとから着地して、靴全体が地面に着き、かかとが浮いて、つま先で地面を蹴って、前へ進みます。これが街歩きになります。

一方、山歩きはフラット着地(フラットフッティング)が基本になります。
フラット着地とは、別名「ベタ足歩行」とも呼び、靴底全体で静かに着地する方法になります。メリットは以下が挙げられます。
・靴底が地面に食い込むことによるスリップが減る
・靴ずれが減る
・ふくらはぎの負担が減る

小さい筋肉は大きい筋肉に比べて疲れやすいです。ふくらはぎの筋肉はどうしても大きな段差を超えてなくてはならないときにとっておきましょう。
④歩く速さ
一般的におしゃべりできる速さがベストとなります。
休憩のタイミングは約1時間の歩行に5〜10分ほど。しかしこれはあくまでも目安で、疲れ切る前に休みましょう。また休むときは水分補給、栄養補給とともにリュックを下ろしましょう。肩を休め、脚も時々伸ばします。

また食事、山小屋での長時間の休憩は控えましょう。主な理由としては、いったん、体を休めてしまうと再び歩き出すときに、息苦しくなるからです。単調な登りが続くときは立ち止まってひと休み、今まで登ってきた風景を見る程度にしましょう。
はじめは気分が高揚しており、飛ばしたくなる気持ちもわかります。また目標もあるとつい急ぎがちです。ゆっくりだと周りにどんどん抜かされて、焦る気持ちもあるかと思います。ペースを速くして、疲れなどで進めなくなるよりも、ゆっくり進んだほうが高山病も防げて、頂上へ行ける可能性が高くなります。

⑤2軸歩行
2本のレールの線を歩くイメージです。
通常の1軸歩行は平地や塗装されたアスファルトで使用する場合は問題ありません。
しかし富士登山のような足場の不安定な場所ではバランスを崩し、転倒の恐れがあります。
2軸歩行は左右のバランスを保ちやすいので、富士登山では2軸歩行にしましょう。
歩き方以外のちょっとしたコツ
⑥リュック(ザック)の背負い方
ベルトを締める順番はウエスト(腰)→ショルダー(肩)→チェスト(胸)になります。
なるべく荷物は軽くしましょう。重いと、それだけ膝に影響が出ます。
⑦ストック(トレッキングポール)について
基本的には、歩くときの補助的な役割になります。
姿勢はまっすぐで、輪に対して下から手を通し、上からグリップと一緒に握ります。
地面に最初にストックを置いて、前へ進んでいきます。
ストックを使用するメリットとしては3点あります。
1.膝、脚にかかる負荷が減る
2.軽快に歩ける
3.転倒防止
種類としては伸縮式と折りたたみ式があり、
素材としてはアルミとカーボン、
形状は「I型」と「T型」があります。
長さもそれぞれに合ったものを選びましょう。
また取り出しやすさ、重量、バランスも考慮しよう。
何を選んでいいかわからない方は ▶▶▶IN

⑧岩場
岩場での登り方としては3点支持が基本になります。
3点支持とは両手両足のどれかで3点を確保して、残りの1カ所を移動する登り方。
基本的に手に頼りすぎず、足にしっかり体重をかけて登る。
体を起こして、足を縦方向にまっすぐにして登っていきます。
⑨ガレ場
大小の石がごろごろしていて足場の不安定なところを言います。
落石、足場がずれて転倒の危険性があるので、後ろ戻りできるような小さな歩幅で移動します。

⑩ルートファインディング(Route Finding)
ライン取りとも呼ばれます。直訳すると、道を探すこと。意味は、遠くを見て、中間地点を定めて、どの道を進むのかを決めます。具体例を挙げると、階段と坂道が2つあるときに、階段は筋肉の負荷が大きいために、坂道を選ぶことになります。

おわりに
どうでしたか?ここまで「バテない歩き方」とそれ以外のコツをご紹介しました。フラット着地など普段あまり聞かない言葉もあったと思います。「歩き方」は富士登山の中でも重要で、マスターすると登頂の可能性が上がります。富士登山では、普段の生活とは環境が違い、大きな石や登り下りがあり、長時間の移動もあります。歩き方ひとつをとっても勉強になったかと思いますが、それでもまだ不安な方には「富士登山専任ガイド同行プラン」があります。こちらのプランでは専任ガイドが状況に応じてみなさんの登山をサポートするので、より安心して富士登山に挑戦できると思います。ぜひこの機会にお試しください。

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