八合目元祖室
吉田ルート
山頂まで1~2時間 御来光を見たい登山者にオススメ! 多くの芸能人が宿泊したことでも有名。山小屋ミュージアムを併設してます。売店は24時間営業。
基本情報
住所 | 〒403-0005 ⼭梨県富⼠吉⽥市上吉⽥6-9-4 |
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営業期間 | 7月1日~9月10日 |
営業時間 | 24時間 |
電話(営業期間内) | 090-4549-3250 |
電話(営業期間外) | - |
FAX | 0555-22-1397 |
食堂 営業時間 | - |
売店 営業時間 | 24時間 |
境界位置 | 八合目/3,250m |
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収容人数 | 250名 |
消灯 | 21:00頃 |
トイレ使用料/その他情報 | 200円/宿泊者滞在中無料 |
更衣室 | - |
宿泊者荷物預かり | 不可 |
吉⽥⼝スバルライン五合目より | 約4時間〜6時間 |
⼭頂まで | 約1時間~2時間 |
富士山の吉田ルート八合目に位置する山小屋「元祖室」。標高3,250mという高所にあり、五合目駐車場からは徒歩で約4時間30分、山頂までは約1~2時間と、山頂を目指す登山者にとって重要な拠点となっています。吉田ルートの中でも特に山頂でのご来光を望む登山者に人気があり、単なる宿泊施設としてだけでなく、富士講の歴史と深く結びついた独自の文化を今に伝えています。
元祖室の歴史:食行身禄と富士講の隆盛
元祖室という名前は、江戸時代中期に富士講中興の祖と称された食行身禄(じきぎょうみろく)に由来します。身禄は17歳の時に富士講の道に入り、厳しい修行に励みました。彼は「人間の体は天からの授かりものであり、死後は天に還る」という考えのもと、勤勉に働くこと、身分や性別に関係なくすべての人を平等に扱うことを説きました。 当時の身分制度や女性蔑視が当たり前の社会において、彼の思想は非常に先進的でした。
身禄は人々を救いたいという強い思いから、断食してミイラとなる「入定」という修行を選びました。彼の入定は大きな話題を呼び、多くの人々が富士講に集うようになりました。身禄は富士講中興の元祖として崇められ、彼が息を引き取った烏帽子岩の近くに小屋を建て、彼を祀ったことが元祖室の始まりと言われています。
江戸時代から続く山小屋の歴史
元祖室は江戸時代から続く歴史ある山小屋です。 江戸時代中期には富士講の隆盛により、山小屋の宿泊機能が強化され、元祖室の基礎が築かれました。また、食行身禄の入定をきっかけに、烏帽子岩神社が建立されたことも、元祖室の歴史において重要な出来事です。 昭和60年(1985年)には、元祖室付近で1482年の不動明王像御正体が発見されました。この発見は、室町時代にはすでにこの地に堂宇が存在していたことを示唆しており、元祖室の歴史の深さを物語っています。
元祖室:特徴的な施設とサービス
元祖室は、以下のような特徴的な施設やサービスを提供しています。
- ・烏帽子岩神社: 元祖室のすぐ横に位置する階段を登ると、身禄行者(みろくぎょうじゃ)を祀る烏帽子岩神社があります。身禄行者は、富士講中興の祖の一人とされ、富士登山の歴史において重要な人物です。
- ・富士山天拝宮: 元祖室に隣接する富士山天拝宮では、御朱印やお守りを授与しています。明治15年に山頂から移築されたこの天拝宮は、毎年7月中旬から8月中旬にかけて神職が常駐し、祈祷や御札の授与を行っています。また、白装束をまとった信者たちが登山を行い、元祖室を宿として利用しています。 天拝宮では、御朱印やお守りを販売しています。
- ・山小屋ミュージアム: 元祖室には、山小屋の歴史を紹介する山小屋ミュージアムが併設されています。
- ・売店: 24時間営業の売店があり、カップ麺などの軽食や飲み物を購入することができます。宿泊客以外も利用できますが、飲食スペースは山小屋内に設けられていないため、外のベンチを利用することになります。
- ・焼印: 吉田ルートの山小屋16軒にはそれぞれ個性的なデザインの焼印があり、元祖室でも焼印を押してもらうことができます。多くの登山者が記念に金剛杖に焼印を押してもらうことを楽しみにしています。
富士登山を文化体験の場にする
元祖室は、富士登山を単なるレジャーとして捉えるのではなく、歴史と文化を体感できる貴重な場となっています。身禄の思想や富士講の歴史に触れることで、富士登山の意義をより深く理解することができます。 富士登山が、単なるレクリエーションに留まらず、歴史と共に登る文化的価値のあるものだということを知っていただければと思います。